【合格作品掲載】2021(令和3)年 保育士試験前期 実技試験 造形の合格作品と採点基準について

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今更ですが、令和3年前期実技試験の造形の合格作品を掲載します。

2021年(令和3年)前期実技試験の造形のお題

子どもが泥遊びをしている様子。

問題
【事例】を読み、次の4つの条件すべてを満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

【事例】
H保育所の4歳児クラスの子どもたちは、園庭で砂遊びをしています。子どもたちは、シャベルやスコップを使って穴を掘ったり、水場から水を運んで川や池を作ったりして保育士と一緒に楽しく遊びました。

条件
1.シャベルやスコップなどの道具を使って、砂遊びを楽しんでいる様子を描くこと。
2.園庭での砂遊びの様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着色すること。

(令和3年前期 保育士試験 実技 造形の問題文より引用)

2021年(令和3年)前期実技試験 造形の合格作品

それでは、2021年(令和3年)前期の造形試験において、私が描いた作品をご紹介します。

保育園児が園庭で砂場遊びをする様子を描いた絵。

保育園児が砂場遊びをしています。向かって右手前の男の子の園児はスコップを持ち、地面に穴を掘ろうとしており、左の女の子の園児はジョウロを持って地面に水をかけています。その後ろで男の子の園児がバケツをひっくり返して大量の水を土に流し込み、3人で川を作ろうとしてます。保育士はスコップの入ったバケツを持ち、園児達の様子を見守っています。

令和3年前期の実技試験の結果と自己評価

それでは、私の令和3年前期の実技試験の結果を公開します。

2021年(令和3年)前期の実技試験の結果

造形については38点なので、100点満点に換算すると75点程度です。

受験する前は8割くらい取れることを期待していたのですが、いざ本番に挑んでみると反省点も多く、こんなものかといった印象です。

では、なぜ100点満点の内、25点も引かれてしまったのかを上記の作品を基に振り返ってみます。

「シャベルやスコップを使って」

まず、問題文の冒頭に「次の4つの条件すべてを満たして」という表現があるように、条件に書かれている内容についての配点は大きいのではないかと個人的には推測しています。

条件について、今回1番物議をかもした箇所が、「シャベルやスコップを使って」の部分ではないでしょうか。

調べてみると、JIS規格ではシャベルとスコップを以下のように使い分けているようです。

JIS規格

・スコップ 砂などをすくう部分の上部に足がかけられないもの
・シャベル(ショベル) 足がかけられるもの

ところが、実際はスコップとシャベルの表現に地域差があるようで、その違いは大きさで区別されていたりもするようです。

例えば、関東では大きいとスコップ、小さいとシャベル、関西では、大きいとシャベル、小さいとスコップといった具合です。

どちらも違うものと言う認識があれば、両者の違いを知らなくとも両方の絵を描けば良いのですが、個人的に関西にも関東にも住んだことがあり、「シャベルやスコップを使って」と言うこの文章を読んでまず初めに感じたことは、「ん?どっちも一緒じゃないの?どうして、わざわざ別の表現で?」と言った印象を持ってしまいました。

結果的に熟考する時間もなく、私の中でシャベルでもありスコップでもある上の絵のような道具(JIS規格において、スコップ)を描くことになり、JIS規格におけるシャベルを描かなかったことは一つ減点の対象になったかと思います。

ただ、どちらか一方を描いていないだけで100点満点の内、25点も引かれるとは思えません。

次に考えられる原因として、条件に描かれていないが事例に示されている内容です。

基本的には、冒頭の問題文にあるように「次の4つの条件をすべて満たして」なので、最低限4つの条件が満たされていれば合格はできるのだと思いますが、安全圏を狙うために少なくとも練習の時点では満点を意識した絵を練習すべきだと私は考えています。

それでは、事例に書いている内容について、減点対象になっているのではないかと私が疑う箇所を1つ1つ見ていきます。

「4歳児クラスの子どもたち」

1つめは、 「4歳児クラスの子どもたち」です。

私の場合、園児や保育士の身長については、対策本に描かれた縮尺に則り、3歳未満児クラスと3歳以上児クラスの2通りのみに分類しました。

以前のブログでもお伝えした通り、過去問題には異年齢での出題もあり、3歳児クラスと5歳児クラスの合同の活動での出題があった場合、身長は当然一緒にすべきではないと私は考えています。

理由は、わざわざ年齢が指定されているからです。

よって、園児の身長についても何らかの減点があったものと考えています。

「シャベルやスコップを使って穴を掘ったり」

2つ目は、「シャベルやスコップを使って穴を掘ったり」の部分です。

私の描いた絵において、JIS規格におけるスコップを用いて男の子の園児が地面を掘っている様子がわかるのですが、穴を掘ってるようには見えないことが減点の対象になっているかもしれません。

「穴を掘っている」を表現するなら、単純に地面を掘っている様子を描くのではなく、小山を作りそこにトンネルを掘っている様子を描くなどの工夫が必要だったかもしれません。

要は、文字通りに「穴」の絵があった方が良かったのではないかと言うことです。

「水場から水を運んで」

そして、3つ目ですが、「水場から水を運んで」の部分です。

水場については描くか迷ったのですが、練習の時点で園庭での水場を背景に描いたことはなく、失敗する可能性や時間が足りなくなる可能性に加え、条件に書かれていないことを加味し描くのを諦めたのですが、これも減点の対象になった可能性も高いです。

「川や池を作ったりして保育士と一緒に楽しく遊びました」

最後に、「川や池を作ったりして保育士と一緒に楽しく遊びました」 の部分です。

川や池に見立てたものは描いているのですが、少し伝わりにくい絵を描いてしまったかもしれない懸念点があるのと、こちらの文をよく読んでみると、「保育士と一緒に楽しく遊びました」とあるので保育士も一緒に川や池を作っていなければなりません。

川や池については川から池になる様子をダイナミックに大きな幅と面積をもって表現したのですが、それが仇となり、川や池に見え難い絵を描いてしまったのではないかと言う懸念があります。

また、保育士については、園児の使用するスコップをバケツに入れて持ち、園児をサポートしている様子を描いているのですが、今回の場合は、保育士は遊びにおいて園児をサポートしなければなりません。

保育士については、JIS規格で言うシャベルを用いて、穴を掘っている様子や小山に土を盛り上げている様子を描いても良いですし、水場から水を汲んで園児の方へ持って行く様子を描いても良かったと思います。

練習において、保育士が園児達と一緒に遊ぶ様子については描いたことがなかったので読み飛ばしてしまいました。

以上より、減点となった箇所を自分なりに分析し纏めました。

◆条件について
・JIS規格におけるシャベルを描けていない。

◆事例について
・4歳児クラスの園児を正しい縮尺で表現できていない。
・穴を掘っているように見えない。
・水場を描けていない。
・川や池には見えにくい。
・保育士が一緒に遊んでいない。

絵を描く際に気を付けること10ヶ条

以前のブログで、絵を描く際に気を付けること10ヶ条をご紹介しました。

今回の作品がこの10ヶ条における視点においてはどうだったのか一つ一つ評価します。

年齢に応じた身体の大きさを描く

上記でご紹介した通り、4歳児クラスの身長は描けていません。

様々な体の動きを描く

これについては、絵を見ていただいて判るように様々な動きは描けているでしょう。

保育士の目線は園児の方へ

保育士の目線については問題ないです。

様々なアイテムを描けるようにする

上記でご紹介した通り、JIS規格におけるスコップは描けていますがシャベルは描けていません。

また、水場も描けていません。

ジョウロやバケツなどは描けているのですが、条件や事例に様々なアイテムが指定されていればそちらを優先した方が良いのでしょう。

構図は人物の重なりを少なく

ジョウロと後ろのバケツの水が重なってしまい、どちらから出る水なのかよく判らないような絵になってしまったのは反省点です。

年齢に応じた動作を取り入れる

これについては、4歳児クラスなので水の入ったバケツを一人で持ち上げることも可能なので問題ないでしょう。

表情は生き生きと

対策本で練習を重ねただけあり、問題ないでしょう。

遠近法に気を付ける

遠近法については余裕がなかったので、付けませんでした。

後ろの園児の方が前の園児より大きい等、あからさまな遠近の逆がない限りはそれほど園児達の距離も離れていないので余裕が無ければ気にしなくても問題ないでしょう。

色塗りにバリエーションがあるか

色塗りについてはカラフルに様々な色で着色できました。

塗り残しが無いか

塗り残しはありません。


以上より、絵を描く際に気を付けること10ヶ条については、下記に〇✖で纏めました。

絵を描く際に気を付けること10ヶ条
年齢に応じた身体の大きさを描く 
様々な身体の動きを描く 
保育士の目線は園児の方へ 
様々なアイテムを描けるようにする 
構図は人物の重なりを少なく 
年齢に応じた動作を取り入れる 
表情は生き生きと  
遠近法に気を付ける 
色塗りにバリエーションがあるか 
塗り残しが無いか 

上記の結果より絵を描くときに気を付けること10ヶ条の内、〇が7個、✖が2個、△が1個で100点満点中75点程度だった私の点数になんとなくそんなものかと納得がいくような気がします。

採点基準について思うこと

考え込むビジネスパーソン3人と多数の「?」マーク。

自分で言うのもなんですが、上記作品を見ていただき、一見すると下手な部類に入る絵ではないことはわかります。

しかし、8割は取れていない絵です。減点対象になったと思われる事柄について自己分析を行いましたが、結局言えることは以下の2つの項目なのではないかと感じます。

「条件」だけでなく、「事例」を意識した絵を

当たり前なのですが、試験である限りそれが絵であろうが人による採点の差を無くすために客観的な採点基準と言う指標が必要になります。

それが、お題に示される条件なのですが、事例について書かれている内容についても採点基準において、結構なウエイトを占めるのではないかと言うことです。

いくらジョウロを上手く描けたから、バケツで水をひっくり返す構図を上手く描けたから…、と言っても採点基準に含まれない限り、それは自分が描きたい絵を描いているだけに過ぎず、描いても無駄になっている可能性もあります。

とは言え、条件さえ満たしていれば合格は合格なのでしょうが、上記でお伝えしたように少なくとも練習の時点では安全圏を狙って絵を描くべきだと私は考えています。

よって、安全圏を狙うために条件だけでなく、事例も意識した絵を描く練習をすることをお勧めします。

試験監督と言えども所詮人間による採点

練習している時点で一体どのような作品が合格になるのだろうかと思い、私自身もネット検索で非常に沢山の合格作品の再現絵とその点数を拝見しました。

それらの絵が本当に忠実に再現されているのであれば、正直なぜこの絵よりもこの絵の方が得点が高いのかと理解に苦しむような絵もありました。

正直、試験監督と言えども所詮人間による採点なので、人による採点の差、受験地域による採点の差と言うものはあるのではないかと感じました。

例え採点基準があったとしてもです。

なぜなら、例えば採点基準に「穴を掘っている」ような場面が描けているかと言うような項目があったとすれば、上記の作品を見て、〇と判断する人も✖と判断する人もいるからです。

また、受験者の多い地域やたまたま絵の上手い人が多い受験地域があったとすれば、人間なので目が越えてきて、採点基準が厳しくなることも考えられます。

よって、地域差については仕方のないことだとしても、試験監督が判断に迷うような紛らわしい絵は極力描かないようにする努力が必要です。

上記のように穴を掘っているのか、掘っていないのか判らないような絵などです。

まとめ

❍ 実技試験の造形において、少なくとも練習の時点では「条件」だけでなく、「事例」も意識した絵を描くことが重要と考えている。

❍「条件」、「事例」を盛り込んだ上で、上記の「絵を描くときに気を付けること10ヶ条」を取り入れた絵を描くことができれば高得点に結びつくのではないかと感じる。

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ブログ管理人
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理系の4年制大学を卒業するもリーマンショック時の就活、育休中の2度の転勤、コロナ禍到来により、今後の働き方を見直すきっかけに。そんな中、令和3年前期に年齢にも経済危機にも負けない資格、保育士国家資格に一発合格。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら一発合格のノウハウや育児に役立つ情報を公開。

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