各年齢での身長がどうして重要か?
平成26年以降の過去問を見て見ると、園児の年齢が必ず条件に指定されています。
一方対策本では、3歳未満児と3歳以上児が2区分に分けられ、背の高さを何頭身で描くべきかが示されています。
実際、私も対策本通りのサイズ感で描き、本番に挑みました。
ところが、合格は合格だったのですが、思ったほど点数が良くありませんでした。
令和3年前期の場合、4歳児クラスとの指定がありました。
点数が良くなかった原因について、なぜだろうと考えたときに、この「4歳児クラス」と言う年齢の身長を正しく描けてなかったのではないかという懸念が起きました。
また、実際に保育園見学へ行くと年齢に応じて背の高さが全然違っていました。
0歳児クラスはまだ一人で立つことができない園児もいるので除くとして、3歳未満児クラス、あるいは3歳以上児クラスの園児を一概に一括りにしてしまって良いのだろうかと感じてしまいます。
配点に影響が出るのかはあくまで予測に過ぎませんが、3~5歳児を一括りにして良いのならわざわざ年齢を指定しないのではないでしょうか。
また、今後異年齢での出題があった場合、例えば3歳児と5歳児を条件に指定されたとすれば、両者を同じ身長で描いて良いのでしょうか?
答えはNOだと私は思います。なぜなら条件にそれぞれ年齢が指定されているからです。
保育園の年齢区分
保育園での年齢区分ですが、実年齢と相違があることに注意が必要です。
保育園での年齢区分は、満年齢ではなく、4月1日の時点でそのクラスの年齢に該当する園児がそのクラスの園児となります。
故に、例えば1歳児クラスを例に取ると、3月生まれの園児の場合は、4月の時点では1歳になったばかりであり、 学年の最終月である3月に2歳になると言うことになります。
また、4月生まれの園児は4月1日の時点で1歳11ヶ月であり、4月のどこかで2歳になり、学年の最終月である3月には2歳11ヶ月になることになります。
よって、1歳児クラスの園児は全期間を通すと、1歳~2歳11ヶ月までの園児が在籍することになります。
その他の学年についても同様に考えると次のようになります。
クラス 全期間での実年齢
0歳児クラス ~1歳11ヶ月
1歳児クラス 1歳~2歳11ヶ月
2歳児クラス 2歳~3歳11ヶ月
3歳児クラス 3歳~4歳11ヶ月
4歳児クラス 4歳~5歳11ヶ月
5歳児クラス 5歳~6歳11ヶ月
※0歳児クラスの場合は、開始年齢が園によって異なるため始まりの実年齢を記載していません。
以上より、各クラスごとの実年齢の範囲を基に、平均身長を次の項で算出しました。
実際に算出してみよう
各年齢区分での園児の平均身長を基に、保育士(成人女性)に対して彼らがどのくらいの身長になるのか、実際に算出してみることにしました。
参考資料:幼児身体発育曲線(平成22年調査)
参考資料:乳幼児(0〜6歳)の成長曲線(男児)
男子
1歳児クラス 84.6センチ
2歳児クラス 92.9センチ
3歳児クラス 99.9センチ
4歳児クラス 106.5 センチ
5歳児クラス 113.0センチ
女子
1歳児クラス 83.4センチ
2歳児クラス 91.8センチ
3歳児クラス 99.1センチ
4歳児クラス 105.9 センチ
5歳児クラス 112.3 センチ
幼児は、まだ身長の男女差が少ない年齢なので、実際に絵に描く際も同じ年齢のクラスであれば男女共同じ身長で描いて問題ないと思います。
よって、各年齢のクラスの男女の身長の平均値を算出すると以下のような結果になります。
男女の平均値
1歳児クラス 84センチ
2歳児クラス 92.4センチ
3歳児クラス 99.5センチ
4歳児クラス 106.2 センチ
5歳児クラス 112.7 センチ
また、成人女性の平均身長が158センチほどなので、成人女性の身長に対して各年齢での子どもの身長の割合は次のようになります。
1歳児 53%
2歳児 58%
3歳児 63%
4歳児 67%
5歳児 71%
そして、成人女性の頭頂部から顎までの長さの平均が22センチほどなので、成人女性は約7.2頭身になります。
大人と子供とで頭の大きさは違うので一概に大人に対して子どもが何頭身かと言う比較はできないのですが、同じ大きさの丸で比較した方が分かり易いため、成人女性の7.2頭身に対して子どもの身長が比率としてどの位になるのか算出しました。
1歳児 3.8
2歳児 4.2
3歳児 4.5
4歳児 4.8
5歳児 5.1
これでは少し分かりずらいので、成人女性を7頭身に換算すると、各年齢での身長の割合は次のようになります。
1歳児 丸3.7
2歳児 丸4.1
3歳児 丸4.4
4歳児 丸4.7
5歳児 丸5.0
これを図に置き換えてみると、このようになります。
図で比較すると、1歳児クラスと2歳児クラスの身長差が顔半分弱ほどの差があることが分かります。
また、3歳児クラスと5歳児クラスを比べると、顔半分以上の差があることも分かります。
以上より、園児の身長を2区分に分類してしまうことは、少し大雑把な分類の仕方とも感じてしまいます。
実際にどのように描けば良いか?
では、実際にどのように描けば良いでしょうか?
上記で算出した通り、保育士(成人女性)を7頭身とした場合、5歳児クラスの園児が丸5つ分となっています。
また、5~2歳児クラスについては学年が1つ下がるごとに、丸約0.3ほど小さくなっていることが分かります。
5歳児クラスの丸5つ分から丸0.3ずつ小さくし該当クラスでの身長を描ければベストなのですが、もう少し単純に考えたい方は、次のように描けば良いのではないでしょうか?
先生(成人女性) 7頭身
1歳児 丸3.5個分
2歳児 丸4個分
3歳児クラス 丸4.5個分
4歳児クラス 3歳児と5歳児の間
5歳児クラス 丸5個分
ちなみに男性保育士を描く場合、成人女性より頭半分ほど背を高く描くことをお勧めします。
また、子どもの頭の大きさは厳密に計算するとややこしくなるので大人より一回り程小さく描きます。
以上を元に各年齢ごとに実際にざっくりと絵を描いてみると、このようになります。
上記の絵は、保育園の1歳児クラス~5歳児クラスの園児の身長と、保育士の身長を同じ縮尺で横並びに描き、比較した絵になります。
これより、3歳以上児クラスと3歳未満児クラスの園児の身長を一括りにすることが、かなり大雑把な分類だと言うことが改めて分かります。
保育園見学等に行くと分かるのですが、令和3年前期の試験条件である「4歳児クラスの園児」とは思った以上に大きいのです。
そして、2歳児クラスくらいになると、割とスラっとしてくるものなので、1歳児クラスとは見た目が全然違うことも分かります。
0歳児クラスについて
こちらの資料に0歳児クラスの様子を絵で表現しています。
まとめ
❍園児の身長は、3歳未満児と3歳以上児の2区分だけだと少し大雑把な分類の仕方と感じる。
❍異年齢で出題された場合、園児の身長は年齢ごとに分けて描くことをお勧めする。
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