対策を行う前にこちらを確認
以前のブログの準備編と同様に、対策を行う上でもまずはこちらの実技試験概要をチェックします。
参考資料:令和4年 実技試験概要
一つずつ拾っていきます。
3歳児クラスの子どもに
「3歳児クラスの子どもに」、 「子どもが集中して聴けるようなお話」 とあります。
お話の内容を3歳児クラスの子が集中できる内容に変える必要があります。
3歳児とは絵本や紙芝居を集中して聴けるようになり、ストーリーも分かるようになる年齢です。
しかし、まだ3歳児なので集中して聴けるようにするには工夫が必要です。
どのような工夫を行えば良いか後にご紹介します。
「3分間のお話」
「3分間のお話」とあります。
当日ですが、3分以上は話すことができないので3分以内に纏めるのが良いでしょう。
2分55秒~3分で話し終えれば印象は良いですが、他の方の合格体験記を見ても3分で話が終わらなくても合格はできるようです。
そのため、時間オーバーについてはあまり神経質に考える必要はありませんが、時間が余り過ぎることは、3分間という試験時間の一部を何もしていないことになります。
また、練習のときより早口になっていたり、どこかのセリフがごっそり飛んでしまっている可能性もあるので極力避ける努力が必要です。
保育士としての話し方
求められる力:保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができること。
「保育士 話し方」で検索すると様々な記事が出てきます。
参考資料:【保育士さん必見】話し方のコツ。子どもを惹きつける雰囲気づくりをしよう
私はこちらを参考にしましたので、試験に使える部分のみ纏めます。
優しく話す
「命令口調を避けて話す」とありますが、要は3歳児に対してなので優しく話しましょう。
オオカミや鬼になりきり、過度に怖い声を出すと泣いてしまう子もいます。
子どものわくわく感を引き出す
次はどうなるんだろうと言うわくわく感が集中力の持続に繋がります。
実際に私は試験で、おおきなかぶが最終的に抜ける際に「うんとこしょ、どっこいしょ」の後に「するとー」と言って架空の15人の園児達を見渡し、間を取った後、「すっぽーん」と繋げる工夫をしました。
わくわく感とは、例を挙げると上記のようなことではないかと感じます。
わかりやすい言葉で話す
わかりやすい言葉にするために擬態語・擬声語を用いたり、短い言葉でありながら具体的に伝える工夫は必要かと思います。
例えば、桃太郎のお話を例に取ります。
「家に帰って桃を切ると、中から元気な男の子が産まれました」と単純に話すと5歳児クラスの子だとイメージが沸くかもしれません。
しかし、試験は3歳児クラスなので具体的に伝える工夫として、お爺さんの存在を加えたり、擬声語を用いるとわかりやすくなります。
「家に帰ってお爺さんと一緒に桃をストーンと切ると、おぎゃーおぎゃーと中から元気な男の子が産まれました」
上記のように伝えるとわかりやすくなり、3歳児でもイメージが沸きそうな文脈になりました。
双方向のコミュニケーションをとる
素話で双方向のコミュニケーションを取ることは難しく感じるかもしれません。
しかし、3歳児に集中して聴いてもらうには問いかけるような話し方もときには必要です。
実際に私は試験で、「うんとこしょ、どっこいしょ、みんなも一緒に~」と言って架空の15人を見渡した後、一人一人の架空の園児を顔を見ながら「うんとこしょ、どっこいしょ…」と一緒に掛け声をができるような工夫を行いました。
過度にやり過ぎるのは、一般的なお話から逸脱してしまう可能性がある上、時間のロスにもなるので避けた方が良いですが、多少であればこのようなコミュニケーションのやり取りは加点に繋がるかもしれません。
声に抑揚を付ける
登場人物によって声を変えたり強弱を付けると、3歳児でも退屈せずに集中してお話を聴くことができます。
上記に示したように怖がらせるのは避けた方が良いですが、例えば3びきのこぶたのお話でオオカミが子豚たちの家を吹き飛ばそうとする場面では、低温ボイスの強めの声で語る等の抑揚を付けるとオオカミの印象がより伝わりやすくなります。
また、例えば桃太郎のお話では、桃太郎にやっつけられた後の鬼は弱々しい声で反省の素振りが見えるようなセリフを入れると抑揚の付いた語りに繋げることができます。
登場人物が多く個々のセリフがあるようなお話では、声の使い分けや抑揚は付けたいところです。
15人程度の子ども
・子どもは15人程度が自分の前にいることを想定する。
試験当日は小さな椅子が左右に一つずつ置かれており、その椅子の背もたれに子どもの似顔絵が描かれた紙が貼られていました。
左右に2つしかない椅子を15人の3歳児クラスの園児だと考えて、一人一人と目を合わせながら話す必要があります。
一般的なあらすじを通して
・一般的なあらすじを通して、3歳の子どもがお話の世界を楽しめるように、3分にまとめてください。
「一般的なあらすじを通して」なので、一般的に知られている原作を一度読み、過度にアレンジを加え過ぎないよう纏める必要があります。
以前のブログでご紹介したように以下掲載の絵本が一般的な絵本と言えるかと思います。
絵本の選び方等については、こちらの記事をご参照ください。
ももたろう
3びきのこぶた
おおきなかぶ
3びきのやぎのがらがらどん
お話を選択したら、ワードやスマホのメモ帳アプリ等にお話を纏めると、文字数を確認することができます。
3分以内に話を纏めるために何文字くらいが適切か、対策本にも記載があります。
適切な身振り・手振り
・お話の内容をイメージできるよう、適切な身振り・手振りを加えてください。
「適切な身振り・手振り」については、広辞苑にこのように書かれています。
身振り:意志や感情を伝えるための身体の動き。
手振り:手を動かすこと。また、その手つき。
適切な身体の動きと手を動かすことが必要なことがわかります。
「適切な」なので第三者から見て違和感がない程度に、動きが大き過ぎることもなく、小さ過ぎることもない程度が良いでしょう。
例えば、3びきのやぎのがらがらどんのお話では、トロルの容姿の「グリグリ目玉」の部分は両目を見開き、両手で眼鏡の形を作り、目の周囲をグリグリと回す素振りをしたり、「突き出た鼻」の部分は両手で天狗の鼻を作り、前に少し突き出す動作を行う等、身振り・手振りを行うとより分かりやすく伝えることができます。
注意書き
注意書きがあります。
注意1:お話をする際は立ってでも座ってでも構いません。
このように書かれているのでどちらでも良いのでしょう。
私の場合は立って話しました。その方が身振り・手振りをし易いと考えたからです。
ただ、立って話す場合は、園児との目線が遠くなります。
見下ろすような感じにならないよう少し腰を曲げ、かがんでお話すると、園児の目線に合わせようとする努力が伝わるので印象は良くなります。
注意2: 題名は開始合図のあと、一番最初に子どもに向けて言ってください。
題名については、開始の合図の後、「~のお話を始めます」等無くても題名だけ言えば大丈夫です。
注意3 : 絵本・道具(台本・人形)等の一切の使用は禁止です。
台本や小道具の持ち込みは禁止されています。
エプロンも紛らわしいので避けた方が無難です。
注意4: 3分間は退出できません。時間はタイマーで計ります。
3分以内で話が終わってしまった場合は、そのままタイマーが鳴るまで静止して待てば大丈夫です。
時間内に話が終わらなかった場合は、タイマーと同時に話を切り上げましょう。
注意5:子どもに見立てた椅子等を前方に用意します。
上記でご紹介した通りです。
試験当日について
事前に受験番号別に各科目の開始時間が記載された一覧表が配られるので、自分の受験番号と各科目の開始時間、教室番号を確認します。
言語の開始時間は人によって様々で、都道府県によっては夕方まで待たされることもあるようですが、私の都道府県の場合、最終受験者終了時刻が13時35分となっていました。
私の場合、造形から言語の受験室までは建屋の移動があり、試験開始時刻の20分前までには待機室に入っておくようにということでしたが、早めに待機室に入室することは可能だったため、私は1時間前には席に着きました。
待機室では自分の好きな座席に座れるのですが、声を出すことは禁止されているので、イヤホン等を身に着け、台本を確認している人がいたり、前を向いて黙って口をもごもご動かしている人も見られました。
そして、自分の開始時間の5~15分前になると、待機室に担当者が来て、5人くらい纏めて受験番号で呼び出しが掛かります。
その後、試験室前の椅子で試験開始まで待機するのですが、試験室はガラス張りになっており、ガラス全面に半透明のビニールのようなものが掛けられており、中は見えないようになっていました。
しかし、声はほぼ丸聞こえなので結構緊張します。
入室から退室まで
面接と同じく、3回ノックをし、「失礼します」と言ってドアを閉め、一礼した上で「よろしくお願いいたします。」と言おうとしましたが、一礼している最中に面接官が荷物置き場や受験番号シールについて話し始めました。
マニュアルか何かをそのまま読まれているような感じでした。
荷物を所定の場所に置いた後、受験番号シールを剝がした上で面接官に渡しに行きましたが、その後に「受験票を荷物置き場に置いて下さい」とまたマニュアル通りの指示が入りました。
したがって、受験番号シールについては試験管の目の前で剥がして渡し、受験票は後で荷物置き場に置く時間があるということです。
シールを渡した際は「よろしくお願いします」と言って頭を下げましたが、一人の方は無表情で受け取るのみで、もう一人の方は軽く会釈をして受け取ってくれました。
その後、座席の前に立ち、試験管の指示で氏名を言い、開始の合図と同時にタイマーが鳴るので、題名を言った後に話を始めました。
私が話を始めると、人物によって声を変えた部分や擬声語を用いた部分、身振り・手振りの場面等の一般的なお話を自分なりにアレンジした箇所に当たる度に試験管がこちらを向き、何か紙に書き込みをしているようでした。
話を終えると私は数秒時間が余ったため、そのまま立ってタイマーが鳴るのを立ったまま待ちました。
退出の際は、その場で一礼し「ありがとうございました」と言い、荷物を持った上でドアの前でもう一度一礼し、退出しました。
まとめ
実技試験の「言語に関する技術」ですが、自分と言う人物がいかに保育士として相応しい話し方ができているのか評価される場だと考えています。
試験の概要を紐解き、上記の項目を最低限しっかりと押さえておけば合格点には達するのではないかと感じます。
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