放課後児童健全育成事業
令和3年後期の子ども家庭福祉において、市町村が主体となって行う事業として一時保育事業と共に挙げられています。
平成29年前期の児童家庭福祉においては、放課後児童クラブの数やその内の小学校内で実施されている数の割合も出題されているので参考資料を基に、試験範囲の最新の数値をご確認下さい。
・放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。
→第6条3の2に詳細記載。令和3年前期、平成30年前期、平成29年前期の子ども家庭福祉で放課後児童健全育成事業の定義や対象者について問われています。
・「保護者が労働等」には、保護者の疾病や介護・看護、障害なども対象となる。
→平成31年前期の児童家庭福祉において、出題されています。
参考資料:「放課後児童健全育成事業」の実施について 令和2年7月(厚労省)
・実施主体は市町村(特別区及び一部事務組合を含む。)
→平成31年前期の児童家庭福祉において、出題されています。
・国、都道府県及び市町村以外の者は、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を市町村長に届け出て、放課後児童健全育成事業を行うことができる。
→第34条8に詳細記載。
・一の支援の単位を構成する児童の数(集団の規模)は、おおむね40人以下
→参考資料:放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 平成26年(厚労省)第10条4に詳細記載。平成31年前期の児童家庭福祉において、出題されています。
上記参考資料を分かりやすく纏めた内容が下記資料になります。
放課後児童支援員の資格要件について、保育士や教員以外にも社会福祉士の資格を持つ者等も記載されているのでご確認下さい。
参考資料:放課後児童健全育成事業について(厚労省)
参考資料:令和2年(2020 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 令和2年12月(厚労省)
子育て短期支援事業
平成31年前期の児童家庭福祉、平成30年後期の社会的養護において、子育て短期支援事業について出題されています。
子育て短期支援事業は、短期入所生活援助(ショートステイ)事業と夜間養護等(トワイライトステイ)事業に分けられ、実施主体は市町村になります。
→第6条3の3の3に記載。
(1)短期入所生活援助(ショートステイ)事業
保護者の疾病や仕事等の事由により児童の養育が一時的に困難となった場合、又は育児不安や育児疲れ等の身体的・精神的負担の軽減が必要な場合に、児童を児童養護施設等で一時的に預かる事業。
冠婚葬祭、学校等の公的行事への参加などの理由も含まれる。
(2)夜間養護等(トワイライトステイ)事業
保護者が仕事その他の理由により平日の夜間又は休日に不在となる場合、その他緊急の場合においてその児童を児童養護施設等において保護する事業。
乳児家庭全戸訪問事業
令和2年後期の社会福祉、平成29年後期の児童家庭福祉において、乳児家庭全戸訪問事業の根拠法が問われています。
また、平成30年後期の児童家庭福祉において乳児家庭全戸訪問事業の内容が問われています。
・原則として生後4か月を迎えるまでの、すべての乳児のいる家庭を事業の対象とする。
・乳児家庭全戸訪問事業とは、育児に関する不安や悩みの傾聴、子育て支援に関する情報提供、乳児及びその保護者の心身の様子及び養育環境の把握、支援が必要な家庭に対する提供サービスの検討、関係機関との連絡調整を行う。
→第6条3の3の4に詳細記載。
・乳児家庭全戸訪問事業により要支援児童を発見したときは、養育支援訪問事業の実施その他必要な支援を行う。
→第21条10の2に詳細記載。乳児家庭全戸訪問と養育支援訪問の違いを抑えておきましょう。
・乳児家庭全戸訪問事業は、母子保健法に基づき、市町村が実施(未実施の自治体あり)。
→第21条の10の2の2に詳細記載。
→参考資料:乳児家庭全戸訪問事業の実施状況調査 平成31年(厚労省)
・市町村は、乳児家庭全戸訪問事業又は養育支援訪問事業の事務の全部又は一部を当該市町村以外の者に委託することができる。
→第21条10の2の3に詳細記載。
・補助率(国1/3、都道府県1/3、市町村1/3)。
→参考資料:子ども・子育て支援交付金について 平成27年
養育支援訪問事業
平成29年前期の児童家庭福祉において、養育支援訪問事業の根拠法について問われています。
また、令和2年後期の社会的養護において、養育支援訪問事業について事例問題で出題されています。
・養育支援訪問事業とは、要支援児童や特定妊婦等に対し、要支援児童等の居宅において、養育の相談、指導、助言その他必要な支援を行う事業を言いう。
→第6条3の5に詳細記載。
・要支援事業とは保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童であるのに対し、要保護事業とは、保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当と認められる児童であると定義されている。
→第6条の3の5、8に詳細記載。令和3年前期の社会福祉において、要保護児童と共に要支援事業の定義が問われています。
・都道府県知事は、要支援児童等と思われる者を把握したときは、これを市町村長に通知するものとする。
→第21条10の4に詳細記載。
・病院や学校などの職務に従事する職員も要支援児童等と思われる者を発見したときは、市町村に情報提供するよう努めなければならない。
→第21条10の5に詳細記載。令和3年前期の社会福祉において、要保護事業や要支援事業への関りが保育所で行われるかが問われています。
事業内容
令和3年前期、平成31年前期、平成30年後期、平成29年前期の子ども家庭福祉においては、養育支援訪問事業の事業内容からの出題があります。
養育支援訪問事業は、主に以下の4つの内容になります。
(1) 妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭等に対する安定した妊娠出産・育児を迎えるための相談・支援。
(2) 出産後(概ね1年程度)の養育者に対する育児不安の解消や養育技術の提供等のための相談・支援。
(3) 虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善や児童の発達保障等のための相談・支援。
(4) 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して家庭復帰が適切に行われるための相談・支援。
・訪問支援者については、専門的相談支援は、保健師、助産師、看護師、保育士、児童指導員等が実施することとし、育児・家事援助については、子育て経験者、ヘルパー等が実施することとする。
→平成29年後期の児童家庭福祉において出題されています。
参考資料:養育支援訪問事業実施要綱(厚労省)
・実施主体は、市町村(特別区及び一部事務組合を含む。)とする。なお、市町村が認めた者へ委託等を行うことができる。
→平成29年前期の児童家庭福祉において出題されています。
病児保育事業
・病児保育事業とは、疾病にかかっている児童(保育を必要とする乳児・幼児又は小学校に就学している児童)を保育所、認定こども園、病院、診療所、その他施設において、保育を行う事業をいう。
→第6条の3の⑬に詳細記載。令和3年後期の子ども家庭福祉において出題されています。
・実施主体は、市町村(特別区及び一部事務組合を含む)であるが、市町村が認めた者へ委託等を
行うことができる。
→令和3年後期の子ども家庭福祉において出題されています。
・病院・保育所等において、病気の児童を一時的に保育するほか、保育中に体調不良となった児童
への緊急対応並びに病気の児童の自宅に訪問する。
→令和3年前期の子ども家庭福祉において出題されています。
・病児保育の事業類型をみると、病児対応型、病後児対応型、体調不良児対応型、非施設型(訪問
型)、送迎対応がある。
→令和3年前期、令和3年後期の子ども家庭福祉において出題されています。
・病児対応型及び病後児対応型では、病児の看護を担当する看護師等を利用児童おおむね 10 人に
つき1名以上配置するとともに、保育士を利用児童おおむね3人につき1名以上配置しなければな
らない。
→令和3年後期の子ども家庭福祉において出題されています。
また、第34条18にも、病児保育についての記載があります。
家庭的保育事業
・家庭的保育事業とは、保育を必要とする乳児・幼児であって、家庭的保育者による保育を行う事業をいう。
→第6条3の9に詳細記載。
また、平成31年前期の児童家庭福祉において下記の項目に関する内容が出題されています。参考資料をご確認下さい。
・家庭的保育者は、市町村長が行う研修を修了した保育士又は保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者であって、乳幼児の保育に専念することができ、欠格事由に該当しない者。
・家庭的保育者一人が保育することができる乳幼児の数は、3人以下とする。ただし、家庭的保育者が、家庭的保育補助者とともに保育する場合には、5人以下とする。
→平成29年前期の児童家庭福祉において出題されています。
・原則として、連携を行う保育所、幼稚園、及び認定こども園を適切に確保し、必要な支援を受け
ることが定められている。
参考資料:家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 平成26年(厚労省)
一時預かり事業
・一時預かり事業とは、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳児又は幼児(3歳未満)について、主として昼間において、保育所、認定こども園、その他の場所において、一時的に預かり、必要な保護を行う事業をいう。
→平成30年後期の児童家庭福祉において出題されています。
・実施主体は市町村(特別区及び一部事務組合を含む)であり、市町村が認めた者に委託等ができる。
→令和3年後期の子ども家庭福祉において出題されています。
一時預かり事業は、一般型、余裕活用型、幼稚園型、訪問型に分けられます。平成31年前期、平成29年後期の児童家庭福祉において職員配置について問われていますので、以下の参考資料と共にご確認ください。
一般型
・実施場所
保育所、幼稚園、認定こども園、地域子育て支援拠点又は駅周辺等利便性の高い場所など、一定の利用児童が見込まれる場所で実施すること。
・対象児童
主として保育所、幼稚園、認定こども園等に通っていない、又は在籍していない乳幼児とする。
・職員配置
原則として、保育従事者は1/2以上を保育士とし、保育士以外は一定の研修を受けた者とする。
幼稚園型
・実施場所
幼稚園又は認定こども園で実施すること。
・対象児童
主として、幼稚園等に在籍する満3歳以上の幼児で、教育時間の前後又は長期休業日等に当該幼稚園等において一時的に保護を受ける者。
・職員配置
原則として、幼児の年齢及び人数に応じて教育・保育従事者を配置し、そのうち保育士又は幼稚園教諭普通免許状所有者を1/2以上とすること。
余裕活用型
保育所、認定こども園、家庭的保育事業所、小規模保育事業所、事業所内保育事業所等の内、定員の範囲内で一時預かり事業を実施。
訪問型
・実施場所
利用児童の居宅において実施すること。一時預かり事業の他の類型を実施することができない場合に実施すること。
・対象児童
家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児で、以下の要件に該当すること。
ア 障害、疾病等の程度を勘案して集団保育が著しく困難であると認められる場合。
イ ひとり親家庭等で、保護者が一時的に夜間及び深夜の就労等を行う場合。
ウ 離島その他の地域において、保護者が一時的に就労等を行う場合。
・職員配置
研修を修了した保育士等。
※児童福祉法の第34条12~14にも、一時預かり事業について記載があります。
子育て援助活動支援事業
・子育て援助活動支援事業とは、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童を一時的預かり、必要な保護を行うだけでなく、児童が円滑に外出できるよう、その移動を支援すること。
→第6条3の14に詳細記載。令和元年後期、平成30年後期の子ども家庭福祉において事例問題として出題されています。また、平成29年後期の児童家庭福祉において、事業内容が問われています。
・子育て援助活動支援事業は、病児や病後児の預かりを含む。
→平成31年前期の児童家庭福祉で出題されています。
参考資料:子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の概要(厚労省)
※児童福祉法の第34条18の3にも、子育て短期支援事業についての記載があります。
その他事業
その他の事業として、第6条の3に以下の事業が挙げられます。
・地域子育て支援拠点事業とは、乳児又は幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業をいう。
→第6条3の6に詳細記載。平成29年後期の児童家庭福祉において出題されています。実施場所としては、空き店舗、小児科医院等の医療施設なども含まれています。
参考資料:地域子育て支援拠点事業(厚労省)
・小規模住居型児童養育事業とは、保護者のいない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童(要保護児童)の養育に関し、相当の経験を有する者等の住居において養育を行う事業をいう。
→第6条3の8に詳細記載。令和3年前期の社会福祉において要保護児童の定義が要支援児童と共に問われています(上記「要保護児童」参照)。
・小規模保育事業とは、保育を必要とする乳児・幼児であって、利用定員が6人以上19人以下の施設において、保育を行う事業。
→第6条3の10に詳細記載。
・居宅訪問型保育事業とは、保育を必要とする乳児・幼児であって児童の居宅において家庭的保育者による保育を行う事業。
→第6条3の11に詳細記載。上記でお伝えしたように、「居宅訪問型児童発達支援」と「居宅訪問型保育事業」は全く別物なのでご注意下さい。
・事業所内保育事業とは、事業主などが自ら設置する施設又は事業主から委託を受けた施設において、雇用されている労働者や構成員の監護する乳児・幼児の保育を行う事業をいう。
→第6条3の12に詳細記載。
※事業所内保育事業が、市区町村の認可が必要なのに対し、企業主導型保育事業は認可外施設となり企業と利用者が直接契約となることに注意が必要です。令和3年後期の子ども家庭福祉において、企業主導型保育事業が市町村が主体となって行う事業であるかが問われています。
最後に
黄色マーカーの箇所は最低限暗記されることをお勧めします。
その際、「児童福祉法」の条文や参考資料、過去問などで詳細事項を確認しながらご自身で纏められることをお勧めします。
※実技試験対策について掲載中です。以下ご参照下さい。
※科目別の勉強方法については、メニューボタン、またはサイドバーボタンよりご選択下さい。