※「私のノート」については、あくまでも「私のノート」です。記載している内容については、勉強法や纏め方を参考にする程度に留めていただき、ご自身で各種法令や外部資料等で事実確認されることをお勧めします。
前置き
前回のブログに引き続き、今回も児童福祉法について纏めた私のノートをご紹介します。
前回同様に、黄色マーカーは平成25年以降の過去問で何らかの形で出題された箇所、もしくはその周辺知識になります。
また、最新の条文は下記URLをご参照下さい。
→参考資料:児童福祉法(令和2年6月10日)
要保護児童対策地域協議会
・要保護児童対策地域協議会(地域協議会)の対象児童は、児福法第6条の3に規定する「要保護児童(保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童)」であり、虐待を受けた子どもに限られず、非行児童なども含まれる。
→令和2年後期、平成29年前期の子ども家庭福祉において出題されています。
・要保護児童対策地域協議会の意義
→令和元年後期、平成29年前期の児童家庭福祉、平成30年、平成29年の神奈川県地域限定の社会福祉において地域協議会の意義や情報共有化によるメリットが出題されています。
[1] 要保護児童等を早期に発見することができる。
[2] 要保護児童等に対し、迅速に支援を開始することができる。
[3] 各関係機関等が連携を取り合うことで情報の共有化が図られる。
[4] 情報の共有化を通じて、それぞれの関係機関等の間で、それぞれの役割分担について共通の理解を得ることができる。
[5] 関係機関等の役割分担を通じて、それぞれの機関が責任をもって関わることのできる体制づくりができる。
[6] 情報の共有化を通じて、関係機関等が同一の認識の下に、役割分担しながら支援を行うため、支援を受ける家庭にとってより良い支援が受けられやすくなる。
[7] 関係機関等が分担をしあって個別の事例に関わることで、それぞれの機関の限界や大変さを分かち合うことができる。
令和2年後期の社会的養護において、要保護児童対策地域協議会について事例問題で出題されています。
・虐待を受けている子どもを始めとする要保護児童の早期発見や適切な保護を図るためには、関係機関がその子ども等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要である。
→平成31年前期の児童家庭福祉において出題されています。
・要保護児童を発見したものは、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満14歳以上の児童については、家庭裁判所に通告しなければならない。
→第25条に記載。令和2年後期の社会的養護において穴埋めで出題されています。
ちなみに、児童虐待に係る通告については児童虐待防止法に規定されています(平成29年後期の社会福祉において出題)。
・地方公共団体は、要保護児童の適切な保護又は要支援児童若しくは特定妊婦への適切な支援を図るため、要保護児童対策地域協議会を置くように努力義務が課せられている。
→第25条の2の1、2に詳細記載。令和2年後期、平成31年前期の子ども家庭福祉において、地方公共団体に設置が義務化されているかが出題されています。「努力義務」なのでご注意ください。
・地域協議会を設置した地方公共団体の長は、地域協議会を構成する関係機関等のうちから、一に限り調整機関を指定する。
→第25条2の4に記載。
・調整機関は、要保護児童等に対する支援が適切に実施されるよう、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、必要に応じて、児童相談所、養育支援訪問事業を行う者、母子健康包括支援センターその他の関係機関等との連絡調整を行う。
→第25条2の5に詳細記載。
・市町村の設置した地域協議会に係る調整機関には、専門職(調整担当者)の配置が義務付けられている。
→第25条2の6に詳細記載。
・地方公共団体(市町村以外)の設置した地域協議会に係る調整担当者の配置は努力義務。
→第25条2の7に詳細記載。
・調整機関に置かれた調整担当者は、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受講する義務が課せられている。
→第25条2の8に記載。
・地域協議会の設置主体は、普通地方公共団体である市町村及び都道府県の他、特別地方公共団体である特別区や地方公共団体の組合等。
→参考資料:第2章 要保護児童対策地域協議会の設立(厚労省)平成29年前期の児童家庭福祉において出題されています。
・地域協議会は、地域の実情に応じて複数の市町村が共同で設置することも考えられる。
→令和2年の子ども家庭福祉において出題されています。
・地域協議会は、代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3つで構成されている。
→参考資料:第3章 要保護児童対策地域協議会の運営(厚労省)
・地域協議会の構成員
→参考資料:第2章 要保護児童対策地域協議会の設立(厚労省)
→児童福祉関係(市町村の児童福祉・母子保健等の担当部局、児童相談所、福祉事務所等)
→保健医療関係(市町村保健センター、保健所、医療機関等)
→教育関係(教育委員会、幼稚園等)
→警察・司法関係(警察、弁護士会等)
→人権擁護関係(法務局、人権擁護委員)
→その他(NPO・ボランティア等)
通告児童に対する措置
福祉事務所を設置している市町村、設置していない町村に分けて記載されています。ほとんど同じ内容なので両者を一緒に纏め、違う部分のみ追記しています。
・市町村は、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、通告児童等について、必要に応じて次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
→第25条の7、8に詳細記載。
一 少年法の規定による措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。
二 通告児童等を市町村の設置する福祉事務所の知的障害者福祉司又は社会福祉主事に指導させること。福祉事務所を設置していない町村については、都道府県の設置する福祉事務所に送致すること。
三 福祉事務所を設置していない町村については、助産の実施又は母子保護の実施が適当であると認める者は、これをそれぞれその実施に係る都道府県知事に報告すること。
四 児童自立生活援助の実施が適当であると認める児童は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
五 児童虐待の防止等に関する出頭の求め及び調査若しくは質問、立入り及び調査若しくは質問又は一時保護の実施が適当であると認める者は、これを都道府県知事又は児童相談所長に通知すること。
念のために第25条の8に記載の都道府県の設置する福祉事務所長の採るべき措置についてもご確認下さい。福祉事務所長の採るべき措置についてもほとんど同じ内容が記載されていますが、保育の利用等が適当であると認める者は、都道府県又は市町村の長に報告・通知することが記載されています。
児童相談所長の採るべき措置
児童相談所長が、通告を受けた児童、少年法による送致を受けた児童及び相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について、必要があると認めたときに採るべき措置について、第26条に詳細な記載があります。
・児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関等に通わせるかその住居において、児童福祉司若しくは児童委員に指導させること。又は市町村、都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター、障害者等相談支援事業を行う者、その他当該指導を適切に行うことができる者等に委託して指導させること。
→第26条二に詳細記載。
・障害者等相談支援事業、小規模住居型児童養育事業又は児童自立生活援助事業を行う者が児童相談所や都道府県から要保護児童の措置に関する委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
→第34条7に詳細記載。
・専門的な知識・技術を除く支援を要すると認める者について、児童相談所から市町村への送致すること。
→第26条三に詳細記載。
都道府県の採るべき措置
・都道府県は送致のあった児童につき、いずれかの措置を採らなければならない。
→第27条に詳細記載。
一 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。その場合、家庭裁判所の決定による指示に従わなけれればならない。
二 児童又はその保護者を児童相談所その他の関係機関等に通わせるか、住居において、児童福祉司、知的障害者福祉司、社会福祉主事、児童委員、もしくは都道府県の設置する児童家庭支援センターや障害者等相談支援事業に係る職員に直接指導させるか指定機関に委託して指導させること。
三 児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託するか、又は乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。
四 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること。
・都道府県は、少年法による保護処分の決定を受けた児童について、児童自立支援施設または児童養護施設に入所させる措置を採らなければならない。
→第27条の2に詳細記載。平成31年前期の児童家庭福祉において出題されています。
・都道府県知事は、児童に対し強制的措置を必要とするときは、原則として、事件を家庭裁判所に送致しなければならない。
→第27条の3に詳細記載。
・保護者が、その児童を虐待している場合等において、第27条第1項第3号への入所措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは、都道府県は、次の措置を採ることができる。
→第28条に詳細記載。
一 保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは、家庭裁判所の承認を得て、施設入所の措置を採ること。
二 保護者が親権を行う者又は未成年後見人でないときは、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すこと。ただし、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すことが児童の福祉のため不適当であると認めるときは、家庭裁判所の承認を得て、施設入所の措置を採ること。
・前項の施設入所措置の期間は、措置を開始した日から原則として原則として2年を超えてはならない。
→第28条2に詳細記載。
・都道府県知事は、必要があると認めるときは、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員に立ち入り調査させることができる。
→第29条に詳細記載。平成29年前期の児童家庭福祉において出題されています。
第31条には保護期間の延長について、母子生活支援施設、小規模住居型児童養育事業、里親、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設への入所者に対する都道府県等による20歳までの措置延長について定められています。一度、目を通されることをお勧めします。
・都道府県知事は、送致のあった児童の措置を採る権限又は児童自立生活援助の実施の権限の全部又は一部を児童相談所長に委任することができる。
→第32条に詳細記載。
・都道府県知事は、虐待を受けた児童に対し、措置を採るに至るまでは児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況や環境を把握するために、児童相談所長を通して、児童の一時保護を行わせるか委託させることができる。
→第33条2に詳細記載。
第33条には、児童相談所長や都道府県知事による一時保護された児童の20歳までの保護の延長について記載されています。一度、目を通されることをお勧めします。