2021(令和3)年前期の実技試験を一発合格した立場で、2022(令和4)年後期の実技試験のお題を描いてみました。
2022年(令和4年)後期 実技試験の造形のお題
問題
【事例】を読み、次の3つの条件をすべてを満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。
【事例】
M保育所の3歳児クラスの子どもたちが、保育室内で大きな鬼の顔が貼られた壁に向かって豆まきを楽しんでいます。保育士は、そばで見守りながら遊びに加わっています。
条件
1.【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと。
2.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
3.枠内全体を色鉛筆で着採すること。
引用元:令和4年保育士試験[後期]実技試験(知人より提供されたもの)より
お題を初見した感想
今回、「鬼の顔が貼られた壁に向かって豆まき」を楽しんでいる様子と言うことで、「鬼の顔」と「子どもたち」、「保育士」の構図に迷われたのではないでしょうか。
まずは、「大きな鬼の顔が貼られた壁」ですが、正面奥に描く場合、豆まきをする「子どもたち」や「保育士」を顔が隠れないように描くためには、必然的に両サイドから身体が横向きになるような体勢で豆を投げている様子を描かなければなりません。
しかしながら、人物は「保育士」を含めると合計で4名です。
「大きな鬼の顔」を中央に描き、人物全員を両サイドに配置して豆を投げている様子を描くにはスペース的に少し難しい気がします。
よって、「大きな鬼の顔が貼られた壁」については左右どちらかに配置し、「子どもたち」と「保育士」についてはその対面に配置するのが描きやすいかもしれません。
「節分」については私がお題予想で示していた課題でした。しかし、「節分の豆まき」と言っても、今回のような内容が出題されることもあれば、「保育士」が鬼となり、「子どもたち」が「保育士」に向かって豆を投げている構成で出題された可能性もあります。
以前から何度もお伝えしていますが、お題予想に縛られ過ぎず、人物の様々な身体の動きや構図等を演習することに注力することが重要です。
「ボール等を投げる」については、下記記事において演習問題としてご紹介しました。
2021年(令和4年)後期実技試験 造形の作品
それでは、2021年(令和4年)後期の造形試験のお題に基づいて、私が描いた作品をご紹介します。
3歳児クラスの保育園児が鬼の顔が貼られた壁に向かって豆まきをしています。園児達は牛乳パックで作られた豆を入れる入れ物を首から下げ、落花生を鬼の顔に向かって投げています。
自己評価
以前のブログでお題の事例や条件を意識した絵を描くことの重要性をお伝えしました。
それでは、今回の事例や条件を一つ一つ見ていきます。
3歳児クラスの子どもたち
以前にもお伝えした通り、年齢が指定されており、今後、異年齢で出題される可能性もゼロではないため下記記事を参考にし、年齢に応じた身体の大きさを正しく描けるように練習しましょう。
今回私が描いた絵において、3歳児クラスの頭身や保育士に対する園児の身長の縮尺は、およそは描けているのではないかと思います。
保育室内で大きな鬼の顔が貼られた壁に向かって豆まきを楽しんでいます
上記でもお伝えしましたが、「大きな鬼の顔が貼られた壁」については左右どちらかに配置し、「子どもたち」と「保育士」についてはその対面に配置する方が描きやすいかもしれません。
鬼と言われて、直ぐに鬼の顔が思い浮かばなかった人も居るかもしれませんが、鬼に角があったり、赤鬼、青鬼がいることくらいは誰でも知っていると思います。
基本的に角が描けており、顔を赤や青に塗れば鬼っぽい顔になりますし、目や眉を吊り上げて描けば更に完成度は高くなります。
鬼の顔については、そんなに拘らなくても私が描いた絵の鬼程度のクオリティで十分かと思います。
次に、「豆まきを楽しんでいます」ですが、「3歳児クラス」ということで、豆の誤飲等を避けることを考慮し、少し大きめの豆である落花生を豆まきの豆としました。
実際、私が見学に行った園では、2歳児クラスの園児が落花生で豆まきを行ったり、丸めた紙や新聞紙を豆に見立てて投げている写真を見たこともあります。
ただ、3歳児クラスというと、全員が3歳になっており、4歳近くになる園児もいるため、保育士の言うこともある程度聞ける年齢なので小さい豆を描いたからと言ってそれだけで落とされることはさすがにないような気がします。
保育士は、そばで見守りながら遊びに加わっています
「保育士は、そばで見守りながら遊びに加わっています」と書かれていますが、保育士は園児と一緒に豆を投げていなくても、そばで園児の遊びを見守り、支えることで、園児の豆まき遊びに加わっていることになるかと思います。
よって、今回私が描いたような絵でも問題ないかと思います。
【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと
要は、【事例】の内容を抑えて絵を描けていれば問題ないかと思います。
子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと
こちらの条件も満たしているので問題ないです。
枠内全体を色鉛筆で着採すること
塗り残しがなければ問題ないでしょう。
絵を描く際に気を付けること10ヶ条
上記の自己評価より、「条件」だけでなく「事例」も抑えた絵を描けたのではないかと思います。
では、以前ご紹介した、絵を描く際に気を付けること10ヶ条での視点ではどうだったでしょうか。
上記の反省点を元に〇✖△で評価してみました。
年齢に応じた身体の大きさを描く
上記の自己評価でお伝えした通り、概ね3歳児クラスの身長や頭身については描けていると思います。
様々な体の動きを描く
両手で豆を投げている女の子、足を上げて片手で楽しそうに豆を投げる男の子、先生に見守られながら豆を投げる男の子を描きました。
三者三様となっているのですが、保育士にサポートされている園児については、体が棒立ち状態で投げているので、もう少し動きを持たせても良かったかなと言う思いがあり、自己評価は△にしました。
保育士の目線は園児の方へ
園児が3人もいるため全ての園児を見渡すような構図にするのは難しいので、今回の場合は3人の園児の目線の方向である、「鬼の顔が貼られた壁」の方へ向いていれば良いかと思います。
様々なアイテムを描けるようにする
今回、豆を入れる入れ物を牛乳パックにし、園児達の首から提げました。
保育園や幼稚園のお子様がいるご家庭はわかると思いますが、園の中では教室の壁紙から園での製作物、イベント事の道具や衣装まで手作りだらけです。保育士として働く場合も身の回りの物を何でも廃材等を使用して製作する必要があるため、様々なアイディアが必要になることが考えられます。
よって、こういう手作りのアイテムを描くと、加点があるかもしれません。
もしかすると、事例やお題には書かれていない、意外と重要なことだったりするかもしれません。
特に牛乳パックは何にでも応用できるのでアイテムを描くには万能です。
その他に、園児達に手作りの鬼のお面を頭に着けたり、保育室の壁を飾り付けたりすると絵が華やかになり、加点もあるかもしれませんが、私の場合はそこまで描く余裕がないと感じたため描きませんでした。
続いて豆についてですが、上記でお伝えしたように3歳児クラスなので誤飲等を避けるために落花生や丸めた紙、新聞紙でも良いです。小さな豆を描いてしまったからと言ってそれだけで不合格にされることはないと思います。
落花生については沢山描くと色塗り等に時間を取られるため、ある程度で切り上げました。塗り残しが発生する可能性を考えると、この程度で十分だと思います。
特に余裕のない方は、事例や条件に指定されていないアイテムは描かなくても良いかと思います。塗り残しがないよう絵を描き上げることが最優先です。
以上より、誤飲を考慮し豆を落花生としたことや牛乳パックの入れ物を描いたのですが、お面等のアイテムや背面の窓、保育室らしい飾りつけ等も描く時間がなかったため、△としました。
構図は人物の重なりを少なく
3人の園児、保育士を上手く配置できているかと思います。
年齢に応じた動作を取り入れる
事例や条件でも指定されていませんし、今回は年齢を考慮すべきような動作はないかと思います。
年齢を考慮するとすれば人物ではないですが、上記でお伝えしたように誤飲を避けるような豆を描けていれば加点になるかもしれません。
表情は生き生きと
明るい表情で描けたかと思います。
遠近法に気を付ける
今回、園児達をほぼ同じ位置に配置したので人物に遠近法は取り入れませんでした。
しかし、「保育室」については「鬼の顔が貼られた壁」と人物を対面で描く必要があるため、床と壁の境の辺については奥行きを持たせて、手前を広く、奥を狭く見せるよう描かなければなりません。この程度の遠近法は最低限使えるようになりましょう。
色塗りにバリエーションがあるか
色塗りについてはカラフルに様々な色で着色できたかと思います。しかしながら、色塗りについては少々雑な色塗りになってしまったので△とします。
塗り残しが無いか
塗り残しはありません。
上記の自己評価を単純に〇✖で纏めると、下のピンク枠のようになります
絵を描く際に気を付けること10ヶ条
年齢に応じた身体の大きさを描く 〇
様々な身体の動きを描く △
保育士の目線は園児の方へ 〇
様々なアイテムを描けるようにする △
構図は人物の重なりを少なく 〇
年齢に応じた動作を取り入れる 〇
表情は生き生きと 〇
遠近法に気を付ける 〇
色塗りにバリエーションがあるか △
塗り残しが無いか 〇
よって、7~8割程度の配点になるような絵は描けたかもしれません。
まとめ
他の作品もアップロードしていますので下記関連資料をご確認下さい。
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